
タイヤ研磨 と言うともったいない、パンクしない?と思うかもしれないが、実はモータースポーツでは、タイヤのトレッド面を削る事で、性能回復やグリップの美味しい所を使う手法が一般的となっている。
今回紹介するけんま君シリーズは、その考え方を一般に持ち込んだコンセプトとなっている。
開発したのは有限会社エー・アイ・エス。
その仕組みだが、機器の回転軸にタイヤをセット。
スイッチを押す事で研磨ベルトが回転するので、そこへタイヤを圧しつけながら研磨していく。
紙ヤスリで形を整えるイメージを持ってもらえたらわかりやすいだろう。
こうする事で、偏摩耗したタイヤのトレッド面を、新品に近い形状へ整えるという。
夏タイヤだけでなく、スタッドレスタイヤも対応するようだ。

トレッドの荒れや偏摩耗は、燃費の悪化や振動、ふら付き、グリップ低下の要因になる。
これまでだと新品タイヤへ交換せざるえなかったが、けんま君が普及すれば、その選択もしばらく先になるかもしれない。
物価高の現代において、非常にありがたい話だろう。
もちろん、安全性を損なっては元も子もない。
施工には一定の基準を設けており、タイヤ自体が寿命、溝の消失箇所がある、ワイヤーが見えている、サイドウォールに傷のあるものは対象外としている。
製品は、整備工場やディーラー、タイヤ量販店向けのPit、メーカー向けで商品開発用、研究開発用のLaboとAutoの3種類用意されているが、基本仕様はどれも同じとなっている。
【取材/文】
編者(ものシンク)
【取材協力】
三重電子株式会社
有限会社エー・アイ・エス