
板ばね と言えばリーフ式サスペンションでお馴染みのもの。
安価で頑丈という理由から、1970年代から1980年代の様々な乗用車、商用車に採用されてきた。
そして今回紹介する中野スプリング(株)は、なんと明治時代から板バネを製造してきた老舗企業。
現在も国内外で需要が多いらしく、一部のSUVや商用車、そして時代劇で見かける人力車まで、変わらず高品質な製品を提供し続けている。

板ばね と人力車
人力車 でイメージするのは京都嵐山など、古き良き日本を感じさせる観光地での活躍を連想する。
実は国内で活躍する人力車の多くは、中野スプリング(株)で製造された板ばねが使われている。
元々この会社は人力車用の板ばね製造からスタートした歴史を持つ。
それだけにノウハウは十分。
昨年だけでも、約50台ぶんの製品を納入したという。
なかなかの数字で驚いたが、恐らくインバウンドの増加で、人力車の稼働率が上がっている事も影響しているように思う。
もし旅行先で見かけた方は、板ばねにもぜひ注目してみて欲しい。

今後の展開
一見、専用開発に見える板バネだが、中野スプリングではカスタムオーダーも請け負っている。
いくつか事例を紹介されたが、純正相当からオーナーさん好みのチューニングまで対応可能との事。
小ロット生産でも問題ないようだ。
他では、グッドイヤーブランドの商用車向けエアスプリングの取り扱いも行っており、より幅広いニーズに対応しようと奮闘されている。
【取材・文】
編者(ものシンク)
【取材協力】
中野スプリング(株)
第17回オートモーティブワールド