
本革シート も、サスティナブルな社会に向けた取り組みが行われているようだ。
自動車や家具をはじめ、様々な本革製品を手掛けるミドリオートレザー(株)では、廃棄後は肥料の原料に生まれ変わる、「CircuLeather」という本革素材を開発。
人とくるまのテクノロジー展 2025 にて、そのサンプルが展示された。

これまでの本革製品は、商品寿命を全うしたら焼却処分するのが一般的。
しかしサスティナブル社会への移行につれ、同社でも何か出来ないかと検討された。
そこで、本革の大部分を形成するコラーゲン(タンパク質)という成分に着目。
長年の研究のすえ、本革の品質はそのままに、肥料としても活用できる素材「CircuLeather」が誕生した。


肥料自体にも拘っているようで、社内でも、実際に畑を作って実証試験が行われているという。

過去のモビリティ向け展示会で見かけたサスティナブル製品の多くは、廃棄のしやすさ、素材のリサイクル、製造にかかるエネルギーコストの削減、自然に返す、といった仕様がポイントとなっていたが、CircuLeather は農業という、一次産業との循環を見据えている点で独自性が感じられる。
製造過程でも水使用量、電気使用量の削減が図られるなど、まさに循環型社会の理想を推し進めた製品と言えるだろう。
【取材・文】
編者(ものシンク)
【取材協力】
ミドリオートレザー(株)
公益社団法人自動車技術会