キッズエンジニア とは、子供達に様々な仕事やものづくりを体験してもらうイベントで、毎年、名古屋と横浜でローテーション開催されている。
今回は名古屋の番だが、今年は新たに中部国際展示場(スカイエキスポ)での開催となった。
そんな新会場での様子を、本日より数回に渡ってお伝えする。

会場変更もなんのその。
朝から多くの親子づれが詰めかけていた。


缶バッジ作成体験などが行われていた。
子供達のためにと、今年も国内有数の自動車メーカーやものづくり企業が集結。
この日のために社員さんが、それこそ手弁当で用意してきたコンテンツで子供達を出迎えてくれた。
各ブースとも予約制、事前受付制を取っていたため比較的穏やかな雰囲気に包まれていたが、それがなければ大混雑していたに違いない。
では、各ブースを見ていこう。


【ジヤトコ】
”クルマの速さは君次第!未来のエンジニアよ、ミニレースへ集合!”
こちらでは、電気自動車のギアボックスを開発するエンジニア体験が行われた。
用いられたのはモーター駆動のミニカー。
事前に受けたギアボックスに対する講義を元に、車の組み立てだけでなく様々なギアの組み合わせを試すべく、テストコースでの走行を繰り返しながら、最速の車を目指して試行錯誤が続けられた。


【スズキ】
”ぬりえを輪ゴムではしらせよう”
同車の車であるスペーシア、フロンクス、ジムニーノマド、キャリィを模した車の形をした ぬりえをベースに、輪ゴム、洗濯ばさみ、ボトルキャップなどを取り付けた、プルバックカーとして走らせる体験が行われた。
慣れた人だと、3分もかからず組み立てられるとか。
個性豊かな配色が施されたクルマが、元気よく滑走していた。


同じくスズキからはもう一つ。
”クリップモーターで動くクルマを作ろう”
モーターの仕組みを学ぶ体験で、まずはエナメル線とクリップを用いたモーター駆動の車体を作成する。
その力は輪ゴムを通して車輪に伝えられ、それにペーパークラフトのボディを被せて完成となる。
上手く走ればOK。


【Astemo】
”保護者も一緒!自動運転車で観光地を巡って遊ぼう!”
市販の小学生向けプログラミングカーの製作と走行体験が行われた。
車の組み立てだけでなく、走行プログラムも子供達の手で行うとあって、ちょっと難易度は高めな印象。
愛知県の観光名称を記したマップの上を走らせるが、最初はなかなか上手くいかずで悪戦苦闘。
それでも、数度のトライアンドエラーで見事に完走を果たした子もいて、その飲み込みの早さに驚かされた。


【自動車技術会 デザイン部門委員会】
”描いて、作って、乗り物のデザインの仕事を体験しよう!”
その名の通り、デザイン作業の体験が行われた。
今やどの仕事もデジタル化が顕著だが、ことプロダクションデザインについては、クレイモデルの出番もまだまだあるという。
そんな背景もあってか、用意されたのは市販車のクレイモデルと、デジタルソフトをインストールしたタブレット端末が複数。
プロのデザインイラストに囲まれながら、子供達は思い思いにアートを描き続けていた。


【SCSK】
“ミニCAMP とあるドローンの大冒険 ワークショップ ~ドローンXプログラミング”
多くはミニカーやロボットを用意する中、車載システム等といったITサービスを手掛ける同社ブースでは、ドローンプログラミングの体験が行われた。
ユニークなのが、「ドローンに感情があったら。。。」をテーマに、ドローンにある想定外の事が起こった場合、どのような反応をさせるか?どのような動きをさせるか?を独自にプログラミングしてもらおうという内容で、チーム内で試行錯誤しながら進められた。
その後、チームごとに成果発表と実演が行われたが、大人達も驚くような発表もあったようで、なかなかの盛り上がりを見せていた。


【HONDA】
”水素でクルマを走らせよう!&環境かるたで想いをカタチに!”
まずは、一般でも手に入る水素と燃料電池を組み合わせた燃料電池車の体験が行われた。
使われたのはミニカーで、事前に燃料電池車の仕組みを学んだうえで走行させ、その結果を元に試行錯誤しようという内容。
子供向けキットで安全に配慮されているとはいえ、安易に扱うと怪我の元。
そのため、開始前には注意喚起がなされていた。
環境かるたは、その名の通り 環境問題やそれに対する取り組みをかるたで表現したもの。
ある環境問題に対して、どのような取り組みが最適かの組み合わせで成立するようになっており、遊びながら意識できるよう工夫がなされていた。


【豊国学園】
”プラモデルを作ろう。親子で作ろう。お父さんお母さんの制作行程をキミが動画に収めよう。”
子供だけでなく、ミニ四駆好き、プラモデル好きなお父さん、お母さんも楽しめそうなコンテンツがこちら。
親子でプラモデルやミニ四駆を製作するだけでなく、その製作過程やコースを走る車に対して、
プロの指導による写真や動画の撮り方講座と、その体験が行われた。
富士フィルムの協力で様々な撮影機材を用意。
普段触ることのない機材の数々に、子供達は目の色を変えていた。


【DENSO】
“自分だけの2足歩行ロボットをつくろう!~AIロボもいるよ~”
ロボットについて学びながら、自分オリジナルの2足歩行ロボット製作の体験が行われた。
ベース本体の組み立てに加え、オリジナルデコレーションによる装飾も出来るとあって、子供達ならではの個性的なロボットが誕生した。
AIロボットから製作アドバイスを受けられるという試みもポイント。
最後はロボット同士、綱引きのようなゲームで対決していった。
【取材・文】
編者(ものシンク)
【取材協力】
公益社団法人自動車技術会