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岐阜大学 学生フォーミュラチームは、これまで独自機構を搭載したマシンで戦ってきた。
2023年は総合3位、2024年は総合5位と、今や強豪校の一つとして数えられるまでになったが、総合優勝を狙うならさらなるレベルアップが必要となる。
2年目のスカイエキスポに向けて開発されたマシン「GFR025」を見ると、開発思想にそんな思いが感じられた。

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[岐阜大学 のマシン概要]

注目はやはりエンジン配置と駆動系だろう。
岐阜大学と言えば代々エンジン縦置き、シャフトドライブという構成を受け継いで開発されてきたが、今年は他校で多く見られるエンジン横置き、チェーンドライブという構成に変更。
合わせて LSD も、イケヤフォーミュラ製の新型を新たに採用してきた。

変更の一番の理由は整備性で、LSDのイニシャル変更を早く出来るよう考えられた。
その効果は大きかったようで、現場にて多くのセッティングパターンを試している。

その他、昨年より重量配分は前よりに、トレッドも 20 mm 拡幅。
エンジンは昨年と同じスズキの GSX-R600 L9 用だが、最大出力は落とされたものの パワーバンドが広がっている。
これらは旋回性能の向上を狙ってのもので、恐らく、中低速セクションが多いと言われる スカイエキスポ に合わせてきたと見られる。

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[大会結果]

静的審査(※カッコは2024年の順位)

  • プレゼンテーション:9位(49位)
  • デザイン:9位(10位)
  • コスト:20位(32位)

動的審査(※カッコは2024年の順位)

  • アクセラレーション:14位(26位)
  • スキッドパッド:4位(2位)
  • オートクロス:11位(7位)
  • エンデュランス:12位(2位)
  • 効率:10位(17位)

総合順位:6位(5位)

今年はトラブル多発でその対応に追われてしまい、セッティングが煮詰められなかったという。
静的審査では平均順位を向上させる事が出来たものの、動的審査ではアクセラレーション以外は全体的に伸び悩み(スキッドパッドはなんと同タイム)、気まぐれな天候にも振り回されるなど、非常に悔しい結果となった。

ただ現時点で昨年なみの速さがあり、それでいて伸びしろはかなりあると、ドライバーからも潜在能力の高さが報告されている。
それだけに理想的なセッティングを見出した暁には、どんな速さを見せてくれるか?
来季、怖い存在になるかもしれない。

【取材・文】
編者(ものシンク
【取材協力】
岐阜大学 学生フォーミュラチーム
公益社団法人 自動車技術会