シャープが自動車メーカー に? – ジャパンモビリティショー 2025

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シャープが自動車メーカー になる?
昨年、独自開発のEVコンセプトモデルを発表した 総合家電メーカーのシャープ。
ジャパンモビリティショー 2025 では、開発中のコンセプトモデル「LDK+」の第二弾が披露された。

既報の通り、今後シャープは自動車メーカーという立ち位置にもなる。
車は、親会社である台湾の鴻海科技集園( Foxconn )が開発したEVのコンパクトミニバン「Model A」がベース。
コンセプトは”リビングルームの拡張空間”で、「LDK+」という名には”もう一つの部屋(LDK)”という意味が込められている。

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インテリア家電で経験豊富なシャープだけに、車内はまるで自宅にいるかのよう。
180度回転するシート、プラズマクラスター発生装置などのエアコントロール機構やプロジェクター、テーブルまでも備える可動式コンソールボックス、リアシートにはスクリーンまでも設置される。
ここで映画やオンラインゲーム、オンライン会議などこなせるようになる。
もちろん読書やちょっとした調べもの、食事も快適に出来そうだ。
外から見るより広々で清潔感さえ感じるその空間は、車というより部屋自体にタイヤとモーターが付いたと言ってもいいかもしれない。

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さらに自宅との連携により、例えば車から各家電を管理、操作する事やその逆も行えるし、太陽光発電や住宅用蓄電池と組み合わせる事で、家と車をセットとした効率的なエネルギーマネジメントも実現可能。
そしてシャープ独自開発のAI「CE-LLM」が加わる事で、ユーザー個々の生活パターン、好みを学習。
その人のライフスタイルに合わせた活用が出来るようにもなる。

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「LDK+」をやる事になった背景にも触れておきたい。
シャープでは、昨今のEV普及状況と車の家電化傾向に着目。
自社事業との親和性が高い事、国内のEV普及拡大に大きな余地がある事、そして AI と組み合わせる事で新たな価値を提供できるのではと、このプロジェクトが企画された。
プロジェクトチームには、自動車業界で20年以上のキャリアを持つベテランスタッフが起用されており、シャープ事業部と鴻海側とを連携した横断プロジェクトとして進められる。

今後は AI と EV を事業の新たな柱として育てていく方針のようで、当面の目標は2027年の市場参入。
その頃には現実的なモデルが発表されている事だろう。
モビリティ市場に対して最終的にどのような回答を示すのか、楽しみに待っていたい。

【取材・文】
編者(ものシンク
【取材協力】
ジャパンモビリティショー
シャープ(株)