鋼板 の軽量化には、これまでも様々な手法が模索されてきた。
特に昨今のモビリティ開発においては必須課題であり、素材そのものを置換する事にも取り組まれているが、主にサスペンション部品を製造する ヨロズ では、鋼板そのものを伸ばして軽量化と強度を確保する差厚鋼板成形技術「げんにくん」を生み出した。

ジャパンモビリティショー 2025 ブースでは、「げんにくん」を活用したリアビームへの製造過程が展示されていた。
素材を一定のところまで部分的に引き延ばし、直後にプレス成型して作り出す流れだが、この工程は独自のトランスファープレス機のみで行える。
これにより、強度を維持したまま10%程度の軽量化が見込めるという。
他にも、従来の生産現場がそのまま活用できる事、高価な素材や特殊な加工技術を使わないのでコストが抑えられる事、いわゆるテーラード・ブランクより生産性が向上するといったメリットがあるようだ。

尚、この「げんにくん」。
11月6日発表の同社リリースにて開発完了が伝えられており、既にいくつかの自動車メーカーと共同開発に入っているという。
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編者(ものシンク)
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ジャパンモビリティショー
(株)ヨロズ