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茨城大学 学生フォーミュラチームのマシンチェック。
同チームではこれまで KTM の690 cc Duke LC4 の単気筒エンジンを使ってきたが、今年はスズキ GSX-8R の FRA1 2気筒エンジンに変更。
それだけでなく独自設計したクランクシャフトとコンロッドを採用するなど、エンジン自体に独自のモデファイが加えられている。

変更の発端は、昨年の大会終了直後に遡る。
エンデュランスの時点でエンジンに不調が見られたため、当初、スペアとして保管されていた KTM の3気筒エンジンを来季に使おうと考えていた。
しかしエンジンパーツの入手性などいくつか問題を抱えていたのと、大会にてスズキに相談したところ、その後にエンジン提供の打診があったため、良いタイミングではと決断された。

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FRA1 の選択には始動性や低回転~中回転のトルク安定性も考慮されたようで、そこから学生フォーミュラ向けの改良がスタート。
その一環でクランクシャフトとコンロッドの設計も行われたが、その際もスズキがサポートを行い、製造も行ってくれたという。

そうして組みあがったエンジン。
実際の走行では燃調合わせに苦戦したものの、大会ではタイム、成績とも去年なみにまとめてきた。
天候や路面コンディションなどが違うため一概に比較できないが、時間のない中で仕上げたエンジンとしては及第点といったところ。
まだまだ伸び代を残してるようで、来期はさらにパフォーマンスを上げたいと意欲を見せていた。

【取材・文】
編者(ものシンク
【取材協力】
茨城大学 学生フォーミュラチーム
公益社団法人 自動車技術会