
自動車整備の道を志す若者たちにとって、車の奥深いメカニズムに直接触れる経験は何よりの財産と言える。
2026年4月の開校に向けて準備が進められている、いま注目の自動車整備専門学校「マツダ自動車整備専門学校 神戸(通称:MASTeC KOBE、設立予定:(株)神戸マツダ)」にて、入学予定の生徒たちを招いた特別なイベントが開催された。その内容とは、なんとマツダの象徴でもあるMX-5(NDロードスター)の「ティアダウン(分解)展示会」。未来の自動車整備を担う若者たちの熱気に包まれた会場の模様をお伝えする。

自動車整備のリアルを学ぶ。新車をバラバラにする「ティアダウン」とは?
製造や自動車整備の業界において「ティアダウン」とは、自社や他社の製品を分解・解析し、その構造や仕組み、使われている材料や技術を深く分析・把握する作業を指す。直訳すると「取り壊す」「解体する」という意味だが、そこにはモノづくりの真髄を知るための重要なプロセスが詰まっている。
今回のプログラムは、自動車整備を学ぶ生徒たちが「車全体の構造」を立体的に想像できるようになることを目的として実施された。ティアダウンによって分解された各部品や構造を実際に見ながら、専門家の説明を受けたり質問したりできるという贅沢な内容となっている。
しかも、マツダから教材として提供されたのは、なんと生産ラインを出たばかりの「NDロードスター」。車好き、特に内燃機関やマニュアル車のメカニズムを愛する者からすれば「もったいない!」という言葉も出てきそうだが、惜しげもなく新車を解体できるのは、自動車メーカー提携の自動車整備専門学校ならではの特権だろう。
会場の整備場には、すでに分解された数台分の外装、エンジン、サスペンション、ミッション、シャシーといった緻密な部品群が整然と並べられ、メカニックの探求心を強く刺激する空間が広がっていた。



開発主査・山本修弘氏も解説!自動車整備専門学校へ入学する生徒たちの熱気
会場に生徒たちを乗せたバスが到着すると、MASTeC KOBE の校長に就任予定である 山本 修弘 さんと教員の皆さんの引率により、生徒たちはNDロードスターを構成する無数の部品を熱心に見て回った。
この展示会が特別なのは、プロの自動車整備士としての目線はもちろん、NDロードスターの開発主査を務めた 山本 修弘 さん ご本人から「開発者としての目線」も直接語られた点にある。設計の意図や技術の粋が詰まった生きた言葉は、車好きの若者たちを大いに唸らせたに違いない。
真剣な眼差しで先生方の説明に聞き入る生徒たちからは、「とても貴重な体験をさせてもらっている」「今後の勉強への意欲がさらに湧いてきた」といった頼もしい声が聞かれた。
今回バラバラに解体されたロードスターは、今後も生きた学校教材として自動車整備の授業で引き続き活用されるとのこと。この日、本物のメカニズムに触れた興奮と感動が、彼らの未来の技術にどう生きてくるのか、今後の成長が非常に楽しみだ。

未来のプロフェッショナルへ。関係者からの熱いメッセージ
最後に、イベントを見守った関係者の方々から、自動車整備の世界へ飛び込む若者たちと、今後の学校運営に向けた熱いコメントをいただきましたのでご紹介します。
- マツダ(株)広報担当者 「本日はメディア対応として参加させていただきましたが、生徒さんの笑顔や楽しそうな様子が印象的で、私自身とても嬉しくなりました。弊社のロードスターをこのようなバラバラの状態で見られる機会は滅多にありません。これをキッカケに、もっと車を好きになってもらえたらと思います。4月の開校に向けて精力的に取り組まれている皆様の思いに応えるべく、我々もロードスターをはじめ、もっと魅力的で愛される車作りをしなければと、いち社員として強く思いました 。」
- MASTeC KOBE 準備室責任者 「私自身とても楽しめましたが、開校を間近に控え、今まで味わったことのない痛烈な責任感も感じています。生徒たちとの2年間をどう過ごすか、山本さんが常々おっしゃる『夢の実現』ができる人材育成ができるかという不安もありますが、皆さんの笑顔と生徒たちの元気をエネルギーに変えて頑張っていきたいと思います。」
- MASTeC KOBE 教員 「今日来ていただいた生徒の皆さんのもの凄い『やる気』を見て、逆に我々が負けているのではないかと感じたほどです。その意気込みに負けないよう、開校までの残り2か月間、授業内容や教材をさらに良くするための準備を進めていきたいです。」 「生徒の皆さんの顔を見たことで『これから始まるんだ』という実感が湧きました。今後はよりいっそう力を入れ、マツダの“飽くなき挑戦”の精神で、多角的な視点を持って取り組んでいきたいと思っています。」
- 山本 修弘 校長 「本日は入学前ガイダンスの一環として、マツダ・ロードスターのティアダウン展示を入学内定者に見てもらいました。皆がすごく興味を持ってくれて、私も非常に楽しかったです。今日という日は我々の始まりでもありますが、とても良いスタートが切れたと思います。これからが楽しみであると同時に強い責任感も感じており、気を引き締めて頑張りたいと思います。」
【取材・文・撮影】
ものシンク編集部
現役ITエンジニアの視点から、日本の「ものづくり」と「インフラ」の最前線を独自の切り口で紐解くWebメディア。
【取材協力・関連リンク】
・専門学校 マツダ自動車整備 神戸(マステック神戸)
・株式会社 神戸マツダ