
物流現場で当たり前のように消費されている透明なストレッチフィルム。しかし、中東情勢の緊迫化に伴うナフサ価格の高騰など、マクロなサプライチェーンの分断リスクは、この「使い捨ての常識」に静かに警鐘を鳴らしている。今回は、未来コーセン株式会社が展開する荷崩れ防止用カバー「楽ラップ」から、外部環境に振り回されない堅牢な物流オペレーションを構築するためのヒントを探る。
1.【製品概要】被せるだけで完了する、脱・フィルムの専用カバー
「楽ラップ」は、パレット上の積み荷の荷崩れを防ぐための、ポリエステル100%の一体編成ニットカバーである。
従来のストレッチフィルムのように何周も巻きつける必要はなく、上から(あるいは下から)すっぽりと被せるだけで装着が完了する。縫合部のない特殊なニット構造が優れた伸縮性を発揮し、荷物の形状にピッタリとフィットするため、荷崩れを強力に防止する。最大の特徴は「繰り返し使用可能」な点であり、フィルムのような大量のプラスチックゴミが一切発生しない。
2.【注目ポイント】ものシンクな視点
この製品に注目したのは単なる「エコ商品」としてではなく、外部環境に依存しないツールとして極めて優れている点だ。
従来の石油由来の消耗品であるストレッチフィルムに依存し続けることは、価格変動リスクという経営的な脆弱性を常に抱え込むことを意味する。さらに、毎回「巻く」「剥がす」「廃棄する」という行為は、現場に見えない工数(技術的負債)を蓄積させ続ける。 楽ラップへのリプレイスは、この「使い捨てを前提とした物流アーキテクチャ」を根本から見直し、変動費を固定費化し、オペレーションを標準化する非常に論理的なアプローチと言える。
3.【経営・管理視点でのインパクト】現場のレジリエンスと機動力の向上
副次的な効果も見逃せない。一部の荷物だけを取り出したい場合、フィルムであれば一度破いて巻き直す必要があるが、楽ラップであれば「少しめくるだけ」でアクセス可能だ。これは現場の機動力(アジリティ)を大きく向上させる。
また、耐候性を備え屋外保管に対応する点や、保管ラックからの地震時の落下防止策として機能する点は、BCP(事業継続計画)の観点からも心強い。マクロな調達リスクをヘッジしつつ、ミクロな現場の作業負担を劇的に軽減する。先の読めない時代において、無駄なランニングコストを垂れ流さないための、理にかなった「防具」である。
【取材・文・撮影】
ものシンク編集部
現役ITエンジニアの視点から、日本の「ものづくり」と「インフラ」の最前線を独自の切り口で紐解くWebメディア。
【取材協力・関連リンク】
・(株)オサダコーポレーション
・第14回 高機能フィルム展[大阪] ※本展は業界関係者のための商談展です。一般の方のご入場はできません。