
音声出力アンプ 「NA1150」は、日清紡マイクロデバイス(株)が開発した電子部品。
今回、人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA の会場にて、それを活用した車載向けソリューションを拝見する事ができた。

これは(株)CRI・ミドルウェア開発のサウンドミドルウェアと組み合わせたもので、主に次の特徴がある。
- DAコンバータ無しでPWM音声信号によるスピーカー駆動を実現
- Hブリッジ回路の1チップ化
- 断線を検知する負荷診断や様々な保護機能を搭載
- リードレス化
- それ自体に放熱特性も持たせている極小サイズのICチップの採用
部品自体はシンプルかつコンパクトな構成で、コストも抑えられている。
さらに各モビリティへの搭載に配慮すべく、フェイルセーフといった安全性も高めている。
昭和や平成初期の回路基板と比較してみると、そのコンパクトさに驚く方もいるはず。
軽量、高効率、さらに熱対策まで求められる昨今のモビリティ開発にマッチした製品と言えるだろう。

最後に、モビリティ開発においての昨今の半導体、電子部品事情を伺ってみた。
今現在、ハイエンド品と共通部品、代替品の二極化が進んでいるという。
後者については、半導体不足による自動車の生産停止の件が堪えたようで、国内での入手のし易さ、安定供給を求める傾向にあるようだ。
その他、開発期間が短縮されつつある事もあげてくれた。
昨今のスピード開発と似た傾向があるようで、品質の担保と要求性能のバランスをどこまで最適化できるか?そのような問い合わせが増えているそうだ。
そうした背景の元、日清紡マイクロデバイスではより良い製品開発と安定した供給が続けられるよう、これらからも尽力していく。
【取材・文】
編者(ものシンク)
【取材協力】
日清紡マイクロデバイス(株)
公益社団法人自動車技術会