
遠隔操縦無人潜水艇 ( ROV : Remotely Operated Vehicle )を自動車メーカーの HONDA が開発。
多くの自動車メーカーでは、車をはじめとする総合モビリティ企業への転身を図っている。
中でも HONDA は、ドローンといった無人モビリティにも着目しており、その一つとして、洋上の風力発電施設などのメンテナンスを行うROVの研究、開発が行われている。
今回、そのコンセプトモデルが公開された。


遠隔操縦無人潜水艇 の概要
SF映画に出てくる有人潜水艇を小型化したようなスタイリング。
公表サイズは 長さ900mm × 幅800mm × 高さ600mmで、その小ささは想像できるだろう。
乾燥重量はマニピュレータ込みで91kgとなっている。
主な特徴として一人で全て操作できる事、広範囲な作業視野の確保、高い水流ロバスト性が挙げられる。
開発には ASIMO の担当者が携わっているそうで、マニピュレータ・ROV協調制御の技術が、潜水艇の機構やマニピュレータの動きの最適化、潜水艇本体との協調制御といったかなりの部分で応用ができたという。
またボディ設計では、自動車開発でも用いられる空力開発、CFD(流体解析)、車両シミュレーション技術を活用する事で、海中でも抵抗の少ない形状を模索。
気流と違いはあるものの、解析のうえでは同じ流体である事、ボディの抵抗低減は車でも考え方は同じなため、若干のパラメータ変更のみで対応できたようだ。
こうしたアプローチが、既存の無人潜水艇に対してどのようなアドバンテージを生み出すか?
今後の進展に注目したい。
【取材・文】
編者(ものシンク)
【取材協力】
本田技研工業株式会社
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