[自動車整備士体験会]将来を描いてみよう – マツダ自動車整備専門学校 神戸

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自動車整備士体験会 はこれまでも様々な形態で行われてきたが、今回取り上げるのは2026年4月開校予定のマツダ自動車整備専門学校 神戸、通称 MASTeC(マステック)が開催するイベント。
オープンキャンパスも兼ねた構成となっている。

新学校が行う体験会とはどのようなものか?
どのように取り組まれているのか?
その1日を追ってみた。

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場所は、隣接の(株)神戸マツダ本社。 最寄りは兵庫駅で徒歩10分ほどの距離にある。
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今回の参加は7組。
そのほとんどは親子参加だが、学生同士での参加も見られた。
驚いたのが 山本修弘 校長 自らが参加者を一人一人を出迎えていた事。
個別に事前説明をされるなど、積極的に歩み寄られていた。

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今回のプログラム。途中からA、Bの2グループに分かれての進行となる。
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まずは山本修弘 校長によるご挨拶。
同氏は長年、マツダでロータリーエンジンやロードスターなどの開発、主査を務められ、近年はロードスターアンバサダーとして多くのファンと交流しながら、レストア事業の立ち上げや人材育成にご尽力された経歴を持つ。
そうした背景の元、ご自身のルーツと学校への思い、夢の大切さ、そして未来の学生達への願いが語られた。

そんな山本校長も教鞭を執る予定との事。
果たしてどんな授業が展開されるだろう?

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次は MASTeC 事務局の大木さん(写真奥の向かって右側)から、自動車整備士のお仕事と学校の概要、学び3本柱等が説明された。

学校を運営するのは新たに設立された学校法人 5HAPPY。
その名前には5つの幸せ(学生とその家族の幸せ、教員の幸せ、地域の幸せ、パートナーの幸せ、社会・環境の幸せ)が込められている。

そして3つの柱だが、その内容は以下の通りとなる。

【マツダ特化型カリキュラム】
ロータリーエンジン開発や SKYACTIV TECHNOLOGY で培ったマツダの高度な技術力と、そうした力を生み出した情熱とチャレンジ精神の学習。

【自立型人間育成】
原田教育研究所社長 原田 隆史 氏の提唱する自立型人間を育成する「原田メソッド」の導入。

【神戸マツダの寄り添う支援】
神戸マツダが目の前という環境を生かした実践的な教育環境。

近年の整備士はお客様とのコミュニケーション能力も求められているそうで、そうした背景も踏まえ、単に技術を磨くだけでなく、人そのものの成長にフォーカスして取り組んでいくようだ。

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整備士体験を担当する教員のお二人が紹介された。
向かって左から長福先生、右が清水先生で、お二人とも神戸マツダの社員。
長福先生はこれまでアドバイザーやサービスマネージャーを務められ、清水先生は現役の自動車整備士で活躍されている。
学校設立にあたり教員を募集したところ、自分にやらせてほしいと手を挙げられたという。
やはり車がお好きのようで、プライベートの話ではスポーツカーや某車漫画が好きそうな匂いも漂わせていた。
車好きなら、先生とも意気投合しやすいように思う。

ちなみに教員はお二人合わせて7名ほど配属予定。
年代は20~50代だが、割合で見ると若干若手の方が多い。
全て神戸マツダの各店舗から選ばれている。
どなたも優秀な方らしく、どこからも離脱を惜しまれる声があがったそうだ。

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大木さんからのちょっとした心遣い。 お疲れだろう参加者のためにノビをする事を提案してくれた。
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グループワーク中の光景。
ここからは MASTeC 事務局の真田さん(写真奥の向かって左側)も加わり、参加者一人一人と積極的に話し込まれていた。
その内容とは、互いの自己紹介や日誌作成についての説明など。
はたから見ると雑談や互いに交流をしているかのようで、なんだか同じ学校の先輩後輩、付き合いの長い教員と生徒が会話しているかのようで、和やかな雰囲気に感じられた。

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こちらがその日誌。
その名もMノート。

これは「原田メソッド」に基づいて用意されたオリジナルツールの一つで、実際の授業でも活用される。
その目的は日々の振り返りで、そこから成功体験や反省点、改善点を見出すことで自身の成長を気付かせる狙いがある。
今回は体験会向けにカスタムされた内容となっており、各セッションに対する達成目標とチェック欄、今日の振り返りや次回目標などを書く項目が設けられていた。

デジタル全盛な現在、手書きに懐疑的な方もいるかもしれないが、市場に出回る自己啓発本の多くも手書きに触れており、高齢者の間ではボケ防止に手書きを推奨する動きもある。
医学的にも手書きが脳を活性化させる事が実証されており、学びをより深いレベルで脳に刻みこめると言われている。

自分を変えたい、もっと成長したい、お客様から愛されるカッコいい整備士になりたい、こんな事を思い描いている方には最善と言えるだろう。

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休憩を挟み、次は施設見学。
神戸マツダ本社ビル一階にあるショールームを案内された。
学生には縁のない場所なだけに最初は緊張した面持ちだったが、そこは車好きな性が出たのか、展示車を前に明らかに目の色が変化。
さらに先生方の軽妙なトークも加わり、直ぐに和やかな雰囲気へ変わっていった。

そういえば納車式の場にも出くわしたが、将来、自分達が車を持った時の姿を想像していたかもしれない。

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今度は外へ。
学校が建設されている場所を案内された。
そこは神戸マツダが来訪者向け駐車場として運用していた場所で、現在は地盤工事などが行われている。
落成予定は2025年の秋ごろ。
神戸マツダ隣接という事で、ここで学ぶ学生達は同時に自動車整備士のリアルも見る事が出来る。
その模範となる神戸マツダ社員の皆さんは、色々な意味で頑張る必要がありそうだ。

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いよいよ整備士体験の時間。
恐らく、参加者にとって一番の楽しみだっただろう。
その場所はなんと絶賛稼働中のピットエリア。
周囲がお客様の愛車整備で右往左往する中、その一角が体験スペースとして割り振られていた。

安全確認や注意事項、工具の取り扱いといった事前説明を受けてから作業を開始。
日常点検からタイヤの確認作業、大径ホイールの持ち運び、交換等といった作業体験が行われたが、メニューは担当の先生によって変わる場合もあるという。

参加者の多くは漫画やアニメ、映画から車好きになった子達で、そうしたところから整備について一定の知識を持っていたようだが、お話の中には自動車ディーラーならではのやり方もあり、皆さん真剣に聞き入っていた。

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車好きにはたまらない試乗体験。
今回はマツダのラージクラスを担う一台「CX-60」が参加者のために用意された。
車両解説を経てさっそく乗り込み。
先生の運転でドライブに出かけていった。

後で感想を聞いてみたが「広い」、「乗り心地がいい」と好評の様子。
参加者の中にはSUV好きという子も見られたが、今回の試乗でCX-60に良い印象を受けたようだ。

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再び戻り、今度は学校紹介へ。
序盤にお話しのあった内容に加え、より具体的な教育方針と独自の取り組み、学費、奨学金、入試制度や今後のスケジュールについての説明がなされた。

資格の取得についても独自の考えの元で進めていくようで、マツダでしか認定されない「マツダサービススタッフ資格エンジニアC級」の仮認定制度も用意。
他にも、マツダが企画するサービス技術大会やファンフェスタといったイベント参加も計画されるなど、年間行事も盛りだくさんなようだ。

と、ここまであげた内容を見るとマツダ系列への就職しかないようなイメージを持たれるかもしれないが、もちろんそんな事はない。
記者発表で神戸マツダ代表取締役社長 兼 理事長 の 橋本 覚 氏も語られているが、他メーカー系列や一般の販売店、民間工場関係なく、卒業生の就職率100%を目指してサポートしていくそうだ。
地元兵庫県だけでなく、今後は全国の業界へ働き掛けていくという。

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中でも興味を覚えたのが食事。
学校側は健康面、生活面も含めた総合的なサポートも掲げており、中でも安価で栄養のある昼食を提供すべく、食堂も新設される。

その食堂、学生だけでなく神戸マツダ社員も利用するそうで、そうなると開校以降、学生と社員が同じ屋根の下で食事を共にする事になる。
だからと言って話をしてはいけない事はない。
その気があれば率先して喋りかけてもいいし、悩み相談を持ち掛けてもいい。
なんなら、趣味の話を通じて意気投合する事もあるかもしれない。
こちらも社会人と学生というより、同じ学校の先輩後輩みたいな交流が生まれやすくなるように思う。

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イベントもいよいよフィナーレ。
最後は当日の振り返りとして日誌Mノートとアンケートの記入、そして個別面談を実施。
と言っても堅苦しいものではなく、その場で教員、スタッフが参加者一人一人をまわり、雑談するように話しかけるスタイルで行われた。
終始和やかな雰囲気だった事もあり、誰もがリラックスして会話出来たのではないだろうか?

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神戸マツダ社員の投票で選ばれた学校のロゴ付きバインダー

まだまだ話が尽きない方も見られたが、バインダーをお土産に、スタッフや神戸マツダ社員さんに見送られて参加者は帰路についた。
希望者には最寄り駅への送迎まで付いてくるので、足のない方、遠方から来られる方も検討してみてはいかがだろう?

【取材・文】
編者(ものシンク
【取材協力】
マツダ自動車整備専門学校 神戸
(株)神戸マツダ