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京都工芸繊維大学 学生フォーミュラチーム”Grandelfino” が 大会4連覇を達成した。
多くのチームが迫る中、昨年はデザインファイナル進出を逃し、今年はエンデュランスのファイナル6入りも逃すなど、一時は総合優勝に黄信号が灯ったがそこはチャンピオンチーム。
見事立て直してエンデュランスをトップタイムで締めくくった。
後続が雨に見舞われるという幸運もあったが、今年のチームは、そうした運を引き寄せる強さも兼ね備えていたようだ。

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[京都工芸繊維大学 のマシン概要]

シャシーは昨年型からホイールベースが長くとられ、リアトレッドがわずかに縮小。
新型エアロパッケージの影響か全長は短く、全幅と全高が僅かに広く、高くなっている。

昨年から導入のカーボンモノコックはもちろん継続。
ただ昨年のデータから設計変更されており、前後の剛性バランスなどが見直されている。
車両重量は僅かに重くなったものの、前後重量配分は昨年並みに留められた。

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足回りではリアのみ、トレッド幅の広いタイヤを選択。エンジンは2022年から低中速重視のパワーバンドで受け継がれているが、今年はさらに出力アップされている。
ちなみに、これに近い変更をしたチームがいくつか出てきている事から、このエンジン特性はスカイエキスポのトレンドになるかもしれない。

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[大会結果]

静的審査(※カッコは2024年の順位)

  • プレゼンテーション:18位(5位)
  • デザイン:3位(5位)
  • コスト:1位(5位)

動的審査(※カッコは2024年の順位)

  • アクセラレーション:13位(6位)
  • スキッドパッド:8位(6位)
  • オートクロス:6位(1位)
  • エンデュランス:1位(3位)
  • 効率:15位(10位)

総合順位:1位(1位)

静的審査はなんとか面目を保ったものの、動的審査はトラブルも重なり非常に接戦となった。
チームも学生フォーミュラ全体のレベルが上がった事をヒシヒシと感じており、優勝には一つもミスが許されないと誰もが感じていたという。
それでも”ウチはレーシングチームなんです”と公言する通り、エンデュランスのファイナル6入りが絶たれても優勝を諦めず、最後まで勝ちを狙って集中していた姿はまさにプロフェッショナル。
会場でも異才を放っていた。

【取材・文】
編者(ものシンク
【取材協力】
京都工芸繊維大学 学生フォーミュラチーム”Grandelfino”
公益社団法人 自動車技術会