
自動物流道路 (Autoflow Road)とは、国土交通省の主導で検討が進められている新たな物流インフラ構想。
新たに建設する物流専用の道路を、荷物を運ぶ無人の自動運転車両で行き交わせようというもので、24時間365日での稼働を想定している。
現在、様々なプランで構想の実現に取り組んでいるが、リニアモーターを活用した 都市型立体ロボット倉庫 を事業に持つ CUEBUS では、その仕組みを応用する独自コンセプトを提案。
ジャパンモビリティショー 2025 にて、そのモデルが披露された。

その概要だが、なんと物流道路にリニアモーター機構を設置。
そこを荷物を運ぶ車両(トレイ)が浮遊しながら自動で動きまわるという、まさに倉庫の搬送路を道路に見立てたコンセプトとなっている。
当然車両そのものには運転席はもちろん、動力機構やバッテリー、ギアユニットは存在しない。
全てコントロールセンターのような所から、各車両の運転状況を管理していく事になる。

主なメリットは人員はもちろん、EVそのものを必要としない点。
もちろん充電や蓄電関連のインフラ設置も不要となるため、充電待ちによるタイムロスも皆無となる。
必要なのはリニアモーターを動かす電力のみで、これにより電池に頼らない、常時稼働する物流インフラが実現できるという。
コストも十分の一に削減できる試算も出ているようだ。
確かに全国の道路網にこれが設置できれば、夢の物流網となるだろう。
しかし現実問題、各地方自治体との調整や土地買収、自然資産の影響調査、なにより工事にかかる予算はあるのか?などなど、現時点では実現不可能レベルなプランのように思う。
現在進められているリニアモーターカーの工事も様々な問題が報道されているし、モビリティ業界からの反発もあるやもしれない。
こうした事を国と企業がどのようにしてクリアしていくのか?
しばらく注視したいと思う。
【取材・文】
編者(ものシンク)
【取材協力】
ジャパンモビリティショー
Cuebus(株)