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工学院大学 学生フォーミュラチームは強豪校の一つであり、毎年 優勝争いに絡むほどの実力を備えている。
しかしここ数年は不運続きで、昨年に至っては車検落ちとまさかの事態に。
そして迎えた2025年。
今年のマシン「KRT-25」は、負の連鎖を断ち切れるものになっただろうか?

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プロジェクトリーダーの松本さんにお話しを伺った

[工学院大学 のマシン概要]

昨年型と比べて一回り絞りこまれた車体。
ホイールベースとトレッドは変わらずだが、車両重量は若干の増加傾向で、重量配分はリア寄りに変更されている。
タイヤはコンパウンドは変わらないものの、前後ともトレッド幅、外径の小さいサイズが選択された。

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エンジンは、多くのホンダユーザーでも採用する PC40E から、唯一となる RH17E を新たに搭載してきた。
中低速セクションの多いスカイエキスポでは、高回転寄りにチューニングされた PC40E だとパワーバンドを外す事が多かったという。
そこで中低速域のピックアップ向上を図るべく、RH17E へのエンジン変更に踏み切った。
前よりロングストロークタイプであり、スペックを見るとピークパワーは落ちたものの中回転域でのトルクが上がっている。
パワーバンドも上と下で大きく広げてきた。

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[大会結果]

静的審査(※カッコは2024年の順位)

  • プレゼンテーション:20位(53位)
  • デザイン:20位(25位)
  • コスト:22位(23位)

動的審査(※カッコは2024年の順位)

  • アクセラレーション:12位(-位)
  • スキッドパッド:9位(-位)
  • オートクロス:2位(-位)
  • エンデュランス:8位(-位)
  • 効率:27位(-位)

総合順位:12位(50位)

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昨年の車検落ちが相当堪えたようで、まずは車検に通るよう、今年は堅実に、確実にプロジェクトを進めてきたという。
それでも不安はあったが、チームメンバーの頑張りで今年は無事通過。
車体製作の基盤が整えられたと、チームリーダーは安堵していた。

元々速さに定評のある同チーム。
動的審査では本来の速さを出せた事で、エンデュランスでは2年ぶりにファイナル6に進出した。
最後のセッションではチームも自信を持ってマシンを送り出したが、途中から雨が降り出してしまい、残念ながら上位進出の目が断たれてしまった。
とはいえレインコンディションでも安定した速さで、多くの人にマシンの潜在能力を見せつけていた。

【取材・文】
編者(ものシンク
【取材協力】
工学院大学 学生フォーミュラチーム
公益社団法人 自動車技術会