
3Dプリンター の活躍範囲は本当に幅広い。
これまでは自動車、航空機、宇宙、建築の分野での活用が主で、使われる素材もプラスチックや金属、コンクリート系統のものが多い。
そして近年は医療分野において人工の骨や臓器のプリント技術も進んでいるが、そこへ今度は食料、フードプリントにアプローチする所も表れている。
ジャパンモビリティショー 2025にて、その一端を拝見してきた。


これは 山形大学 古川研究室 と(株)F-EAT との共同プロジェクトによるもので、写真はその3Dフードプリンター「FP-3000」。
食材をペースト状にしたものをタンクに投入し、撹拌しながらノズルから噴射する仕組みとなっている。
これ以外にもインクジェット方式の「JETCOOK」やレーザー方式の「LASERCOOK」があるが、それらは加工した食材をインクのように噴射して形にしたり、レーザーで食材のゲル粉末やインク状にしたものを硬化して形成していく。
これまでにスイーツやラーメン、肉、目玉焼き、寿司、タコ、ウニといったプリント実績があるようで、過去には試食の機会も設けられている。
そこでの反応を見るかぎり、美味しく食べられるものの味や食感はまだ発展途上といったところ。
今回は残念ながら試食できなかったが、機会があればぜひ試してみたい。
今後の展開としては、同じ食品でも食感や成分、栄養素を変えてプリントできる事から病院食や介護食への活用も考えられている。
また無重力空間でもプリントできる事から、宇宙での食生活改善にも期待できる。
さらに現代の課題であるフードロスでも、使うあてのない食材、食品をプリント素材に加工して再利用する使い方も出来るようだ。


【取材・文】
編者(ものシンク)
【取材協力】
ジャパンモビリティショー
山形大学 古川研究室