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The JTCC Nissan PRIMERA CAMINO was a formula car with a box cover.
I was amazed by the seating position and liked the placement of the gear lever.

こちらはモータースポーツカテゴリー JTCC に参戦したレーシングカー「日産・プリメーラカミノ(P11)」。

JTCC とは、1994年から1998年まで開催されていた全日本ツーリングカー選手権で、このマシンは1997年に本山哲 選手が駆ったマシンと思われる。
当時、”喧嘩バトル”と言われるほど激しいレースが展開されていたが、果たしてドライバーはどのような環境で戦っていたのだろう?

日産/NISMOファンの祭典ニスモフェスティバルにて、その運転席に座ってみた。

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1996年当時のプリメーラカミノ
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当時より車高が上がっているが、これは車両搬送の都合のため。 社内でも議論があったようで、担当者も残念がっていた。
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気になったのはやはり着座位置。
4ドア車なのに車体の真ん中、とても低い位置に座らされる。
シートバックも寝かせ気味、センターピラーで顔が隠れがちになるため、小柄な人だと全く見えないかもしれない。

例えるなら、F3などのフォーミュラカーに近いポジション。
セダンボディを被ったフォーミュラカーだなと感じた。

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もちろん視界は最悪。
フォーミュラカーだとオープンコクピットだが、こちらはクローズド。
せっかく低くしても、着座位置を上げないとレースにならないというドライバーもいたのではないだろうか?
車両感覚を研ぎ澄ませておかないと、とてもじゃないがレースは出来ないだろう。
接触が多かったのも頷ける。

個人的に良い印象を持ったのが、ステアリング近くに設置されたシフトレバー。
今や当たり前に備わっているIパターンのシーケンシャルシフトだが、国内で登場し始めたのはJTCCの時代。
このマシンもホリンジャー製の6速が搭載されていた。

運転席で確認。
とてもしっくりくる位置に配置されている。
サーキット走行を想定して頭の中でシミュレートしてみたが、バトルに忙しいレースの最中とか、ここにあるほうが咄嗟に手を出しやすく、感覚的にも操作しやすく感じた。
ドグミッションなので一般だと練習が必要だろうが、叶うなら実働状態での操作性も試してみたい。

【取材・文】
編者(ものシンク
【取材協力】
NISMO
日産モータースポーツ&カスタマイズ(株)