
Japan Mobility Show Bizweek 2026にて、マツダは次世代内燃機関としての「ロータリーエンジン」の可能性を強くアピールすべく、ロータリーEVシステムのコンセプトモデルを展示してきた。
それは2年半前のマルチパスウェイワークショップで発表されたモデルで、既に量産化されたMX-30 ROTARY-EVのユニットがベース。2ローターのロータリーエンジンを発電機として稼働させ、バッテリーに充電してモーター駆動で走る仕組みを想定している。
「雑食性」という最大の強み
自動車業界全体がカーボンニュートラルに向けて暗中模索を続ける中、マツダがロータリーエンジンの開発を続ける最大の理由は、その圧倒的な「雑食性(多用性)」にある。
現在のEV(電気自動車)開発には、バッテリー重量というジレンマが存在する。例えば週末にしか長距離を走らない場合でも、常に巨大で重いバッテリーを搭載して走ることはエネルギー効率の観点から最適とは言いがたい。そこで、必要な分だけをエンジンで発電して充電する「レンジエクステンダー」というアプローチが有効となる。コンパクトで高出力なロータリーエンジンは、この発電機としての適性が極めて高い。

将来のエネルギーインフラへのリスクヘッジ
さらに重要なのは、将来のエネルギーインフラに対する「リスクヘッジ」としての側面だ。現在、水素、合成燃料(e-fuel)、バイオ燃料など、様々な次世代燃料の研究が進められているが、将来どの燃料が最も安価に普及し、市民権を得るのかは誰にも予測できない。
しかしロータリーエンジンは構造上、現在想定されうるほとんどの次世代燃料に対して、柔軟に対応する強みを持っている。もし将来、バイオ燃料が安価に普及する流れになったとしても、ロータリーエンジンがある以上、新規にパワーユニットを開発する必要はない。EVで必須の重いバッテリーも、当然積む必要は無い。
マツダではそうした未来に向け、展示技術の一つである「カーボンキャプチャー(CO2回収)」技術を併用する事で、排出量より吸収量を多くする「カーボンネガティブ」を実現することも視野に入れている。
専門部署再結成が示す本気度
「何でも燃やせる」という特性は、不確実性の高い次世代燃料競争において、最強の生存戦略となる。マツダはこの技術を決して諦めておらず、数年前にはロータリーエンジン専門の開発部署を再結成し、さらなる厳しい排ガス規制への対応も含めて研究開発を継続している。
どの燃料が覇権を握ったとしても対応できるロータリーエンジンは、単なるノスタルジーではなく、極めて合理的で現実的な次世代パワートレインの最適解の一つと言えるだろう。
【取材・文・撮影】
ものシンク編集部
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マツダ(株)
Japan Mobility Show Bizweek 2026